令和6(2024)年度「おおさか相談フォーラム」を開催しました

 おおさか相談フォーラムは、相談活動への関心を高めるとともに、人権相談機関ネットワーク加盟機関を始め、相談や支援を行なう相談員同士の経験交流や情報交換、相談員等がスキルアップできる場として、毎年実施しています。

 今年度は、「相談・支援をされている方のメンタルケアとサポートについて考える」をテーマとして、令和7(2025)年2月27日(木)に大阪市立阿倍野市民学習センターにて開催し、各方面から70人の方にお集まりいただきました。

 第1部の基調講演では、「相談員のメンタルケア:セルフケアとサポートの方法」をテーマに、神戸学院大学 心理学部 心理学科 教授の土井 晶子さんにご講演いただきました。

 講演の冒頭にセルフケアの基本として、セルフモニタリングの方法をご紹介いただき、自分がどのくらい疲れているのか、セルフチェックを行いました。

援助職の方は他人を優先する自己犠牲的な方が多く、人のために一生懸命になりすぎる方もいます。そのような傾向のある方は、「一番大切なのは自分」ということを言い聞かせ、まずは、自分をケアすることが大切だとお話しいただきました。

 また、相談・支援現場の仕事は感情労働であり、自分の感情をある程度コントロールしなければならない仕事のため、ストレスがたまりやすいです。その際は、自分の中で浮かんでくる気持ちを否定せず、正直であることが自身を大事にすることにつながります。自分が心地よさを感じていると相手にもそれが伝わり、好循環になります。

 そして、セルフケアとサポートでは、職場での会話と雑談はお互いをサポートし合うことができるため大事であり、ちょっとした相談や困りごとでも雑談することによって、問題が解決することが多く、不安感や孤立感が減少するためとても効果があります。

 さらに、本音で話せる人間関係を作ることも大切であり、自分の感情を人に話すようにすることや、ちょっとしたお願いを人に頼り・頼られるようにすることが、安心できる職場を作るために大事だと教えていただきました。

 第2部では、人権相談機関ネットワーク加盟機関である認定特定非営利活動法人 国際ビフレンダーズ大阪自殺防止センター 理事長の北條 達人さんに、「相談員の養成とメンタルケア」をテーマに、団体での取組みについてご報告いただきました。

 団体では、自殺を考えているもしくは悩み苦しんでいる方からの相談を電話、チャット等で受けられており、相談員は相談者からの強烈な感情を受け止めて相談活動をされています。そのような現場のスタッフ養成で大事なことは、スタッフのメンタルケアを行うことだとお話しいただきました。

 相談者のことを理解するためにはまず自己理解が大切であり、相談員の養成講座の際に、自分のことを周りのメンバーに話すことを大事にされています。

 まず自分が誰かに受け止められる、理解されるという経験をしてもらうことで自己理解につながり、それこそが相談・支援現場で必要な経験になって自身の支えになります。

 また、メンタルケアにおいて、シビアな現場ではしんどくならないようにするのは無理なことなので、しんどくなって当然であり、抱えたものをいかに出すことができるかが、とても大事であるということを教えていただきました。

 第3部では、基調講演と相談機関からの報告を踏まえ、参加者が小グループに分かれて交流や意見交換を行いました。その後、参加者のみなさまからのご質問に対して土井さん、北條さんにご回答していただき、相談・支援活動への理解を深めました。

 また、会場内に「情報交換・交流コーナー」を設置し、各団体からお持ちいただいた紹介リーフレットやイベントチラシを置いて、情報交換・交流をしていただきました。

参加者からは、次のような感想をいただきました。

  • 相談員として悩みながら相談業務にあたっていましたが、本講演、実践報告の内容は大変今の私に役立つものでした。より良い職場環境を目指し働きやすい職場互いに助けられるよう取り組んでいきたいと思います。
  • 自身を大事にしてこそ他者への支援につながると教えていただき、そうだなと思いました。
  • 今回の研修をもっと早く聞きたかった。大変参考になる内容でした。
  • 自分にない話をきくことができました。参考になりありがたかったです。相談を受ける側のメンタルを守っていきたいです。
  • 参加者の方々と状況や対応、考え方を聞く機会になり、とても学びにつながりました。
  • 同じ相談員の方と意見交換をして情報や気づきがあり、ありがたかったです。