令和7(2025)年度「相談事例研究会」開催のご報告(相談事例の概要を掲載)

 人権相談機関ネットワーク加盟機関の相談員等の相談スキルの向上と、加盟機関同士の交流や連携を図る場として、「相談事例研究会」を開催しました。

 今年度は、第1回から第4回(9月5日、9月11日、9月12日、9月16日)を大阪府内の4会場で開催し、合計87人が参加しました。

 講義では東大阪大学教授の潮谷光人さんから、「人権相談に必要な援助技術について」をテーマにその概要を学ぶとともに、「事例検討の方法」として事例検討会議の目的からその設定や進め方、事例検討のマナー、エコマップやジェノグラムの作成方法などを学びました。

 次に、各相談機関から事例報告をしていただき、その事例報告をもとに複数のグループに分かれて、事例検討のグループワークを行いました。

 グループワークでは、情報収集したい内容や課題、相談者のストレングス、今後の具体的な対応や支援等の方策、支援実施によるリスク、相談者の安全性を大切にした関わりのポイントを話し合って共有しました。

 グループワークには事例研究の充実を図るため、大阪府人権擁護士にグループの進行役とコメントを行っていただきました。

 その後、各グループから話し合いの内容を発表し、参加者全体で共有し、まとめとして発表内容に対するアドバイスや情報提供を講師より行っていただきました。

 様々な相談機関の相談員等が集まり、多様な視点や意見を出し合うことで多くのことに気づいて、相談業務の向上に繋がるとともに、交流を深めることができました。

  • 各相談機関から報告していただいた各事例の概要は、PDF及びWordファイルでダウンロードできます。

相談事例の概要

  • 事例①  病気の治療を受けながら働いて、ローンの返済をしたい障がいがある高齢者からの相談
  • 事例② 相談が解決した頃に夫が亡くなり、残された家族の生活が困窮してしまった妻からの相談
  • 事例③ 夫からの暴言や暴力があり、怖がって不登校になった子どもと家を出た妻からの相談
  • 事例④ 娘から金銭を要求され安心して生活することができない父親からの相談

参加者の感想(アンケートより)

  • 一つの事例に多方面から深く切り込むことができて良い勉強になりました。実例を用いられているので真剣に取り組むことができました。また、他団体、異なる部署の方と話し合うことで新鮮さを感じました。
  • 全く知らない知識を知ることができたり、普段かかわりのない方とも関わることができて、大変勉強になりました。
  • いろいろな視点に気付けて良かったです。ジェノグラムの書き方への疑問が解消されました。
  • 各市の相談機関によって手法や考え方、アプローチが異なっていたり参考になりました。
  • とても活発に意見交換ができました。なかなか事例を話し合う仕事の業務についていないので、貴重なグループワークができました。